手描きのデザインがバッジになるまでを解説します。
手描きのデザインがバッジになるまでを解説します。
なおデザインの入稿は可能であればイラストレータ(.ai)データでお願いします。デザインを正確に再現することができます。イラストレータをお持ちでなければ、フォトショップ(.psd)や「.jpg」「.png」等の画像データでも大丈夫です。その際、画像の解像度は300dpi、画像サイズは仕上がりサイズよりも2〜3倍程度大きなものをご用意下さい。なおデザインのトレースは無料で承りますが、グラデーションのあるオフセット印刷など、再現できないものもございますことをご了承下さい。
デザインは可能であればIllustratorでご用意下さい。正確に再現することができます。イラストレータをお持ちでなければ、Photoshopやjpg等の画像データでも大丈夫です。こちらでトレースをおこないます。なお小さいデザインでは正確なトレースができないため、デザインは10cm以上の大きさと、解像度が300dpiのものをご用意下さい。手描きのデザインも弊社にてトレースをおこなうことができますが(無料で承ります)、複雑すぎるデザインについては対応できかねるものもございます。解像度についておわかりにならない場合は、A-4サイズ程度のデザインをご用意下さい。その際デザインは白黒の線画だけでも大丈夫です。
バッジデザインは、最初に白黒の線画にします。この時、黒の部分は金属の凸となる部分、白は金属の凹んだ部分となります。ピンバッジはこの凹んだ部分に塗料を入れ、凸の部分にはゴールドやニッケルなどのメッキ加工を施して仕上げます。なお塗料は他の色と混じらないように黒の線は必ず閉じている必要があります。線が閉じていないと隣同士の塗料が混じり合ってしまいます。黒線の幅は最細で0.2mm程度の表現が可能ですが、太くすることも可能ですデザインによってその太さは使い分けて下さい。なお線幅はなるべく細くした方がバッジのイメージがシャープになります。
線画が完成したら色を入れます。色調の決定はPantone solid coatedというカラーチャートにておこないます。カラーチャートの色数は2100色以上ありますので、ほぼイメージどおりの色調を選ぶことができるでしょう。色調の決定はPantoneの色番号で指定されることをお勧めしますが、通常は弊社にて色番号の照合をおこなっています。なおバッジの色数は、1色〜4色までが同一料金となり、それ以上は1色増える毎に単価が少し上がります。また、特殊なカラーバリエーションとして、ラメ入り・蛍光色・半透明色などもご用意しています。お気軽にご用命下さい。
バッジに入れる文字は弊社にてレイアウトすることができます。その場合はご希望される書体名をご指定下さい。ただしバッジはサイズが小さいものが多いので、複雑な書体等は苦手です。バッジサイズが小さい場合は、ゴシック系の大文字がお勧めです。また日本語の場合、画数の多い漢字は表現することが難しい場合もございます。その場合は文字の部分のみシルク印刷で表現する方法もございます。なおIllustrator等でご入稿される場合は、文字のアウトライン化をおこなって下さい。
完成したデザインを元に作成したバッジがこちらです。製造法はセミハードエナメルで、メッキは黒ニッケルとなります。この製造法の特長は線の部分と塗料面がほぼ真っ平らになります。なお製造上、文字は画像のように少し太く修正する必要がある場合がございます。またデザインではボタンの色が白となっていますが、黒の線で円形を作るとボタンをかなり大きくする必要があるため、黒に変更しました。なお黒ニッケルメッキをゴールドメッキやニッケルメッキに変更することも、もちろん可能です。
こちらはスタンプ・エポなしという製造法です。塗料にエナメル塗料を使用しているため、塗料面は黒メッキの金属線よりも凹んだ仕上がりとなるのが特長です。社章などの高級感を必要とする用途には向きませんが、安価なためノベルティに活用されることが多く、また軽快感のあるバッジに仕上げることができます。
こちらはスタンプ・エポありという製造法です。スタンプ・エポなしの表面に透明でとても硬いエポキシ樹脂をコーティングしています。エポキシ樹脂は塗料面や金属面より厚く盛るため、バッジ全体が薄いドーム状に仕上がります。お好みでエポキシ樹脂の量を少なくして、塗料面や金属面とほぼ同じ高さに仕上げると、一見セミハードエナメルのような仕上がりに見えます。なおエポキシ樹脂のコーティングは、エナメル塗料が突起物などで傷つくことを保護するために施しています。エポあり・エポなしはお好みでお選びいただくことができます。
バッジに色を入れないで仕上げる方法もあります。これは、弊社でスタンプ&サンドブラスティングと呼ぶ製造法で、色を入れない社章などで採用されています。作例のメッキはゴールドメッキで、凸となる線の部分は、光沢のあるゴールドメッキ、凹んでいる部分は凹凸感を強調するためにサンドブラスティング(光沢を抑えた砂面)加工を施しています。なお金属の光沢を抑えたい場合は、アンティークゴールド・アンティークシルバー・アンティークブロンズなどのメッキ処理で、バッジをアンティーク調に仕上げることも可能です。
お客さまが指定するバッジの色調は、弊社にてパントン社が提供する2161色の色番号(※1)に変換します。なおこの作業は弊社にておこないますので、お客さまにて作業する必要はございません。
パントン社の色見本(Pantone solid Coated)
メールの添付ファイルで送付されたピンバッジの色調は、RGBデータに変換されます。RGBとは、R (Red=赤)・G (Green= 緑)・B (Blue= 青)の光の三原色を意味し、人間の目は、この3つの色調を感じ取って色を認識するため、コンピュータのモニターもこの三原色を使って色調を表現しています。しかしモニター上の発色は、メーカーや設定の違い等によって、その色調は微妙に異なります。このため弊社ではいただいた色調のRGBデータとパントン社の色番号を照合して正しい色調の決定をおこなっています。パントン社は世界的な色見本の企業で、弊社と工場が共通のプラットフォームとなるPantone Solid Coatedの色番号を共有することで正確な色調の再現が可能となります(※2 )。
オフセット印刷は、C (Cyan=青)・M (Magenda=赤)・Y (Yellow=黄)・K (Key plate=黒)の4色の掛け合わせで表現します。このためRGBからパントンへの色調変換はおこなわず、弊社にてRGBからCMYKへの色調変換をおこないます。その際、発色の違いなどから色調が微妙に異なる場合があります。その場合はその旨ご連絡を差し上げ、必要に応じて代替の色調案をご提案させていただきます。
なお色調のご指定について、パントンの色番号をお持ちの方は直接色番号をご指定下さっても結構です。その際はPantone solid Coatedの色見本からご指定をお願いします。また、国内で使用される色見本にDICカラーガイドがあります。こちらの色見本のご指定もお請けすることができます。弊社にてパントンの色見本への変換をおこないます。
DICカラーガイド
七宝焼は使用できる色調が120色、このうち10色が現在欠品中です。